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黒崎 譲*; 高柳 敏幸; 宮崎 哲郎*
Journal of Molecular Structure; THEOCHEM, 452, p.209 - 218, 1998/00
2,3-ジメチルブタンカチオン((CH)CHCH(CH),h-DMB)からのH脱離反応に対し、非経験的分子軌道計算を行った。構造最適化はUMP2/6-31G(d)レベルで行い、1点エネルギー計算をUMP3/6-31G(d)及びUMP4(SDTQ)/6-31G(d)レベルで行った。その結果、この反応は障壁が22-24kcal/molで26-29kcal/mol発熱的であることが予測された。非経験的分子軌道計算から得られたデータを用い、遷移状態理論に基づいて量子力学的(トンネル)効果を考慮した熱反応速度定数を求めると、h-DMBの反応の速度定数は77Kで約10sと予測された。h-DMBにおいて、脱離するHをDで置換したカチオン(d-DMB)の反応の速度定数は77Kで約10sと計算された。このことから、h-DMBからのH脱離反応にはトンネル効果が重要であることが示唆される。一方、h-DMBの反応速度定数に対する実測値は約12桁も大きい。これは量子化学計算のレベルがまだ低いことを示唆する。